映画「夜明けを信じて。」ちょっとした感想

 

結論から言うと、今まで自分が見たの幸福の科学の映画の中では一番退屈だったような気がします。(極力気を付けますが、ネタバレがあるかもしれません)

 

理由①:ほぼ過去作のリメイクだという印象を受けた。大筋としては、2年前の「さらば青春、されど青春」から、主演の俳優が変わっただけという感じ。まあその主演俳優が離反した息子の宏洋だったということもあり、その映画は教団としても黒歴史化して封印しておきたい代物だろう。いずれにせよ教祖の自伝的な性格の強い作品だったので、「穢れていない」役者を使ってできるだけ早く作り直したいと思うのは自然なのかなと。また、豊田通商名古屋で出会ったヒロイン(清水富美加)、東大で気持ち悪いポエムを送った初恋?の相手(長谷川奈央)のキャストも一緒。既視感しかなかった。まあ、主演の演技は宏洋よりよっぽどマシだなとだけは思います。

 

理由②:自画自賛がすごい。ある種のプロパガンダ映画だから仕方ないとはいえ、2時間以上も浴びせられると流石に食傷気味。個人的な感想だが、リメイク?元の前作よりも自画自賛がえげつなくなっている感じがした。サラリーマン時代の有能描写がやたらと多かったからそう感じたのだろうか。役者が教祖とは似ても似つかない、いい声の、シュッとした顔が濃い目の男前であることも含めて。

 

理由③:音楽は相変わらずクソ。詩の密度とメロディーが合ってないとおもうんですよね。清水富美加の歌声は個人的には割と好きなんで、まともな歌でちゃんと活かしてあげてほしいですね。

 

理由④:これは単なる違和感なのかもしれませんが、教祖役が会社を辞めて宗教に専念するシーンが、清水の舞台から飛び降りる(二度目の死)みたいな描写だったと思うんですが、映画内での描写だけ見ても、親父がやってくれてる出版事業が軌道に乗って、それだけで食っていく目処がついたから会社を辞めたようにしか見えなかったんですよね。神の思し召しにしたがって、すべてを捨てて宗教の世界に飛び込む、という感じではないんですよ。いうなれば、副業として宗教をやっていて、それで食っていける目処が立ったから会社を辞めた、というだけの話であって、そこから感じられるのはすべてを捨てて宗教に邁進する純粋さや潔さではなくて、計算高さとかしたたかさだと思うんですよね。まあ商社で働きながら本を書くバイタリティ自体は純粋にすごいなと思いますけど。

 

理由⑤:ギャグパートが序盤に来てしまい、楽しみがなかった。最近の幸福の科学映画では(サヤカ脚本になってからかな?)、特別出演として大川一家(教祖、妻、娘)がちらっと出演することが半ば定番化していて、本編の内容がどんなに退屈なものであっても、その一瞬の笑いを求めて映画館に足を運んでしまうカルトウォッチャーも少なくない(私見)。しかしながら今作では、けっこうな序盤に「特別ゲスト」(笑)が出てきてしまい、その楽しみを早々に奪われた。彼らの出演場面は「ジョーカー」なのだから、脚本を書く側はもっと切りどころを考えた方がいいと思いました(余計なお世話)。

 

おわり。